saddleの記録

saddleの記録

自転車に乗ってどこかに行った記録やその他いろんな記録を残します

【フィンランド自転車ツーリング】準備・計画編

2018年2月22日から3月4日まで,自転車で真冬のフィンランドを走ってきました.備忘録も兼ねてその記録をまとめます.

DSC06722

▲北極圏

 

フィンランドを選んだ理由

この3月に大学院を卒業して4月から社会人になるので,学生という身分でできるツーリングはこの春休みが最後になります.そこで,6年間の自転車活動の集大成として卒業旅行は海外ツーリングに行くことに決めました.2年前に行った冬の北海道が非常に印象的だったので,さらに北に行きたいと思い,候補として北欧やカナダ,ロシア,アラスカを挙げました.海外旅行は一度家族親戚でグアムに行ったきりで,自転車を持っていくのも初めてです.その中で,フィンランドセントレアから直行便が出ているほどアクセスが良く,英語が通じ,治安も良いことから,はじめての海外ツーリングには最適だと思い,フィンランドに決めました.

なお,サイクリング部の同期に声をかけてみましたがもちろん一緒に行ってくれる人などおらず,ひとりで行くことにしました.

また,冬のフィンランドを自転車でツーリングするための情報がほとんどインターネット上にないため,自分でその情報を得てブロードキャスティングしたいと思ったのもひとつの理由です.

 

フィンランドについて

フィンランドの国土面積は日本よりやや小さい程度ですが,人口が約500万人と非常に少ない国です.また,国土のほぼ全域が安定陸塊の楯状地で,標高も200mを超えることは滅多にありません.イメージとしては国土全体が山の存在しない広大な北海道といった感じです.使用言語はフィンランド語で,英語はどこに行っても通じました.駅などの公共施設はフィンランド語のほかにスウェーデン語やロシア語,英語が併記されています.単純に,初めての海外旅行でも選択肢に入るレベルで安全な国だと思います.しかし,物価は高いです.

 

ルートの選定

現地に滞在できる10日間という非常に短い期間の中で「どこを走るのか」といった問題は重要です.これが最も難しかったです.まず,情報の収集を行いました.日本でいうTouring Mapple的なものは存在しないようで,通常のまっぷるのような道路地図は書籍としてインターネットでも手に入ります.

https://www.arktisversand.de/en/finland/maps

しかし,こういったただの道路地図はGoogle Mapで事足りるほか,全国版はかなり大きく携帯性に欠けるので今回は見送りました.

次にVisit Finlandというフィンランドの観光局がおすすめしているサイクリングルートを見つけました.しかし,これは夏のサイクリングを想定しているほか,ほとんどがヘルシンキ周辺の南部に集中しているため,参考にはしませんでした.

また,Strava Global Heatmapというものも見てみました.これは,StravaというアクティヴィティSNSで世界中の人から上げられたGPSログから,Heatmapになっているものです.

Strava Global Heatmap

 しかし,これも幹線道路が多く走られていたり,必ずしもサイクリングに適している道とは言えるわけではないので,「その周辺でトラブルがあったときにどの程度人に頼れるか」の指標にしました.そこで多く走った記録があれば,それだけ人の往来も多いということになります.今回は極端にGPSログの少ない地域を走るのは避けました.

最後にdangerous roadsというサイトで調べました.

dangerousroads

これは世界中の面白い道をまとめているサイトです.日本では群馬県毛無峠や乗鞍などが紹介されています.自分は,フィンランドの"ice road"というものをここで知りました.そこで,今回のツーリングでice roadは絶対に行くと決めました.

とにかく情報がないので,あとは自分で現地調査することにしました.そこで組んだルートはおおまかに,Hämeenlinna~Tampere~Parkano,Oulu,Rovaniemi周辺といった感じにしました.行きたかったパロラ戦車博物館や北極圏を含みつつ,あとはなにがあるかわからないところを行くといった感じです.

フィンランドを自転車で走るにあたっての基本的な知識はこちらのサイトで紹介されています.

http://www.cycletourer.co.uk/cycletouring/finland.shtml

 

予算

フィンランドはアジアからのアクセスが非常に良く,かつヨーロッパの中では比較的安価な手ごろで行くことができます.セントレアからヘルシンキ往復でおよそ10万円,それに加えて,フィンエアーは自転車の手荷物料金往復で150ユーロでした.

今回は,フィンランドの2月のおおよその最低気温の-30℃で野宿できる装備を持っていなかったため,すべて宿をとることにしました.フィンランドは物価が高いので,宿泊費1泊1万円前後を見込んで9泊なので9万円.

その他補給や鉄道運賃などで5万円といった感じでトータル25万円くらいと見込みました.

 

服装

気温は-8℃~-25℃でした.なお自分は寒さに強いほうだと思います.

上は

  • mont-bell ジオライン中厚手
  • Tシャツ
  • mont-bell クリマプラス100 ジャケット
  • mont-bell ストームクルーザー
  • mont-bell インナーグローブ
  • スキー用グローブ

下は

  • mont-bell ジオライン中厚手
  • mont-bell ドライテック インシュレーテッドパンツ
  • mont-bell ゲイター
  • mont-bell 冬の低山向け防水トレッキングシューズ
  • mont-bell アルパインソックス厚手

ダウンも持っていきましたが使用しませんでした.風がほとんどないぶん気温ほど寒くは感じませんでした.この中でゲイターは一見なくても大丈夫な気がしますが,ゲイターなしで走ると裾から冷気が入ってきて,すぐにすねやふくらはぎが冷えてしまいました.袖口や裾から冷気が入らないようにするといいと思います.指先に関しては-10℃くらいまではインナーグローブで走行,それを下回ったらスキー用グローブで走行といった感じでした.

持ち物

特別なものは服装くらいで,持ち物に特別なものはほとんどありません.野宿しないので,テントやバーナー,クッカー,マットなどは持っていきませんでした.特別なものは,

  • 魔法瓶
  • いつもより多めの修理用ツール
  • カメラの予備バッテリー
  • 水着
  • ちょっとしたガイドブック

魔法瓶は補給水が凍らないようにするため,修理用ツールはなるべく走行不能にならないようにするためです.カメラの予備バッテリーは,寒いときバッテリーの出力が下がって使えなくなってしまうため,常にひとつはポケットに入れてあたためておきました.冬の美ヶ原で使えなくなった経験から持って行ったのですが,今回は異常なく使えました.よくわかりません.水着はフィンランドサウナ用に持っていきました.

f:id:saddle93:20180327181747j:plain

▲今回の持ち物

 使わなかったものは秋用グローブ,ダウン,カイロです.

準備・計画編については以上です.飛行機輪行などについては次の記事に書きます.