自転車ツアラーやロードバイクホビーライダーだと「好きな国道はどこか」という話題になることがあると思います。そんなとき,なんと答えますか
1号線や7号線のような景色が良いところがある幹線国道,425号線や439号線のような有名な酷道を答える人が多い印象です。そもそも好きな道はあるけど国道の番号なんて覚えてないよという人が大半ですが。
自分の一番好きな国道は国道339号線です。そこそこ走ってる人でもどこだよって言われることが多いです。その手に詳しい人だと階段国道が連想されると思います。
今回はこの国道339号線を実際に走ったレポートとともに紹介します。
国道339号線とは
Wikipediaには以下のように書かれています。
青森県弘前市から津軽平野を北上して五所川原市を経由し、津軽半島北端の津軽海峡に至る延長約127キロメートル (km) の一般国道の路線で、主な通過地は、南津軽郡藤崎町、北津軽郡板柳町、鶴田町、五所川原市、中泊町大字中里、同町大字小泊である。津軽半島の中央部を南北に縦断する道路で、半島北部は日本海側に道路が沿っており、龍飛崎と小泊を結ぶ区間は通称「竜泊ライン(たつどまりライン)」とよばれる。東津軽郡外ヶ浜町龍飛の龍飛岬附近に、階段と歩道で構成された車両通行不能区間があり、「階段国道」の名で特に知られる[1][2]。
もっと有名なのは階段国道です。また龍飛岬に行く人がおそらく必ず走る道です。
▲階段国道 荷物積載した自転車ではキツいと判断
ツーリングでわざわざ通るようなところではないので,走ったことがある人は少ないかと思います。北海道に向かうサイクリング部員はだいたい青森か八戸からフェリーに乗るか,下北半島を走って大間を目指します。龍飛岬を目指す人でもアクセスしやすい東岸から行く人が多いです。
しかし,ダイナミックな道路と景色は津軽半島西岸にありました。
龍泊ライン
走ったのは2016年夏です。横手,由利本荘市,大潟村,深浦町を経由して五所川原市から龍飛を目指したツーリングで走りました。実際には十三湖までひとつ西側の県道12号を走ったので,国道339号線で走ったのはそれより北から外ヶ浜町の三厩までです。
▲十三湖
県道12号は車も少なく道もそこそこ広く走りやすかったです。
十三湖を過ぎると国道339号線は海沿い,というか海にへばりつくような道になります。
▲海沿い国道でもここまで海の際にある国道はなかなかない
中泊町の小泊地区では美味しい海鮮料理が安く食べられます。自分は「小泊おさかな海岸」というところで食べました。
▲ボリュームも十分
この小泊地区を過ぎるといよいよ本番,民家もなくなり壮大な自然を感じることができます。
▲青と緑のコントラストが個人的にすごく好き
▲文字通り道がへばりついている
龍飛岬に近づいてくると,断崖絶壁すぎて海沿いに道路が建設できなかったのか,山を登り始めます。この登りはかなりきついですが,ところどころ登りながら日本海を望むことができます。
道路のピークは眺瞰台というところで,ここからの眺めも格別です。こんなに海が近いのに標高が500m近くあります。
▲龍飛岬と津軽海峡,その先の北海道まで
ここまで山と海が融合した景色は初めてだったので,非常に感動した記憶があります。なお,冬季はこの区間(龍飛岬から小泊地区まで)は通行止めです。
▲北海道を見ながら龍飛岬へ下る
前を走るローディーは龍泊ラインを一緒に走った人です。最後の眺瞰台への登りがキツすぎて一緒に押してました。
龍飛岬と青函トンネル記念館
龍泊ラインは車も人も全然いませんが,龍飛岬まで来ると人がそこそこ多くなります。この岬の直下を青函トンネルが貫いています。また,青函トンネルの工事の基地でもあったため,記念館があります。青函トンネルの建設経緯、工法や津軽海峡の地質など学ぶことができます。実際のトンネルの大きさも展示で体感できます。
この青函トンネル記念館,できてからかなりの年月が経っています。青函トンネル紹介ビデオに出てくるモグラのキャラクターのおじいさん,お父さん,子供がいるんですが,そのモグラのキャラクターの子供がビデオ内で国鉄民営化を見たことがあると言っていたので,自分より年上でした。そろそろビデオを作り直したほうがいいんじゃないでしょうか。
▲青函トンネルは34名もの犠牲の上に完成した
国道の終点と青函トンネル入口
国道の終点は外ヶ浜町の三厩という地区にあります。この三厩はかつて青函トンネルができる前,北海道に渡るフェリーが出ていました。そのため,ところどころその遺構が残っており,雰囲気があります。そういうかつて栄えた跡が個人的に好きです。
▲突然この看板を境に国道280号線になる
▲かつて三厩と北海道の福島町を結んでいた東日本フェリー
こういった看板が錆びついても残っていたのがすごい印象的でした。この三厩福島航路が残っていたら,道南エリア松前のあたりのツーリングの幅が広がったのかと思います。
この近くに青函トンネルの入口があります。公共交通機関での到達は困難です。バイパスからさらに白道を行ったところにあります。
広場は最近整備されたのかきれいでした。青函トンネル入口は自転車ツーリングでは行くのに労力がかからない反面,ちょっと話のネタになるので是非。
▲トンネルから列車が出る直前にトンネル坑口に雲ができる
以上,国道339号線のレポートでした。津軽半島西海岸,すごく良いので是非行ってみてください。個人的に青森県が好きなので,今後も自転車で走って開拓しようと思います。