saddleの記録

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自転車に乗ってどこかに行った記録やその他いろんな記録を残します

【フィンランド自転車ツーリング】8, 9日目 サンタクロースエクスプレス乗車記・ヘルシンキを自転車で走る

前の記事からだいぶ間が空いてしまいましたが,フィンランド自転車ツーリングの最後の記事です。

 サンタクロースエクスプレス

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▲InterCity274が正式な列車名 

 サンタクロースエクスプレスとはヘルシンキとRovaniemiの間を結ぶ夜行列車です。およそ東京から大阪までの距離を約12時間かけて走ります。1日2往復でRovaniemi発は18時と21時となっており,利用しやすい時間に走っています。

チケットはVRのホームページで買えますが,寝台はPCからでないと買えません。というのも,寝台券を購入するときに座席を選ぶのですが,その選ぶ画面がスマートフォンでは動作しませんでした。

座席の種類は大きく分けて普通の座席,個室座席,寝台相部屋,寝台個室です。シャワーやトイレつき個室もあります。その順番に値段も高くなります。自分は寝台個室で23,000円くらいでした。日本のB寝台と同じくらいです。

普通座席の様子も見ましたが,さながらムーンライトながらのようで観光利用にはおすすめしません。

チケットを買うと登録したメールアドレスにQRコードが送られてきます。それを車掌さんに見せればOKです。他の日本人ツアー客はみんな予約画面を印刷してきていて,日本の紙媒体文化を垣間見ました。

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▲個室寝台

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▲タオルやお水のサービスもあります

編成が長い上,自転車を載せる車両がどこだかわからないので,入線時はしっかりとホームで自転車にまたがり,入ってくる列車の自転車マークを探してそれに向かって走ります。予約した寝台が自転車車両と遠いと延々列車内を歩くことになります。予約時に決済直前の画面で自転車を載せる車両が何号車かがわかるので,そこで一旦キャンセルして近い車両に予約しなおすというテクニックを帰国してから見つけました。

食堂車もあり,特に何も買わずに乗っても大丈夫ですが,割と混んでいます。

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売店

田舎の線形のいい線路では200km/h以上で走るので,12時間はどう考えてもかかりません。いろんな駅で時間調整を行っていました。ヘルシンキ駅3kmくらい手前の操車場の待避線で,45分くらい止まっていたのにはビックリしました。それでも定時で到着です。

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ヘルシンキ駅到着

動力集中方式(機関車と客車)で走るので,騒音や振動もなく快適でした。

8, 9日目 自転車でヘルシンキ散策

結論から言うと,冬のヘルシンキは自転車に乗るのには適していません。 

ヘルシンキで2日間自転車で散策する予定でしたが,1日目でこれに気付き2日目は自転車を捨てて観光してました。

石畳+凍結という高難易度の路面,踏み荒らされて凸凹に凍った路肩や歩道,充実したトラム網といった理由から,自転車に乗る必要がありませんでした。たいていのスポットはトラムで行けます。郊外は地下鉄+バスで行けます。市内のほとんどの交通機関に乗れるフリーパスがすごく安いのでおすすめです。

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▲フリーパスはアプリをダウンロード→クレジットカードを登録→購入で終わり。時間制のフリーパスなので使い勝手が良い。

というわけで行った観光地をいくつか紹介します。

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スオメンリンナの要塞

戦争で実際に使われていた要塞です。アニメ ブレイブウィッチーズの舞台となっています。要塞までは渡船で行けます。渡船は当然のように砕氷船です。

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▲船によって砕かれた氷が浮いている

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▲デザイン美術館

フィンランドはデザインの国で有名なので行ってみました。デザインの考え方や歴史について学ぶことができます。英語でも説明が書かれているので理解できます。

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フラットデザインの考え方

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▲Löyly Helsinki

観光客向け公衆サウナです。というか普通にインターネットで調べてもこういう観光客向けしかヒットしません。男女共同で水着を着て入るタイプのサウナです。ビールも飲めるし,水風呂と称して凍結した海にも入れます。

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▲更衣室入口

フィンランドサウナを調べるにあたり,コミケでこちらのサークルの同人誌を購入して参考にさせていただきました。実際にいろんなヘルシンキのサウナに行ってレポートをしています。インターネットではヒットしにくい公衆サウナもレポートされているのでぜひ。

curry-sauna.hatenablog.com

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HJKヘルシンキの公式ショップ

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▲海は凍結して公園のようになっており,市民の憩いの場になっていた

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▲そこらじゅうにトラムが走っている

いろいろな行先のトラムが同じ線路を走っているので,例えば東京メトロとかで迷ってしまう人にはつらいかもしれない。

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▲トラムの路線図

他にも観光スポットには行きましたが,そういうことはガイドブックのほうが参考になると思うので書きません。

ヘルシンキ Vantaa空港から同じくfinnairでセントレアへ帰りました。帰りの飛行機輪行はペダルを外しませんでしたが,特にトラブルはありませんでした。空港のカウンターでこんなソフトな梱包では預かれない的なことを言われましたが,往きはこれで預けたと言ったら預かってもらえました。

Vantaa空港は保安検査通過後のほうが,ショップが充実しているのでさっさと保安検査場を通過するのをお勧めします。

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以上でフィンランド自転車ツーリングは完結です。治安もいいしなにより冬は空気が気持ちいいのでぜひ冬のフィンランドへ自転車で行ってみてください。

【フィンランド自転車ツーリング】6, 7日目 Rovaniemiと北極圏

 

 

6日目 OuluからRovaniemiへ

楽しかったOuluをあとにして鉄道でさらに北のMuurolaへ輪行しました。この列車は自転車のラックがなくて,よくわからなくて通路に自転車を放置してました。降りるときに置いていた場所に自転車がなくてめちゃめちゃ焦り,車掌室に行って聞いてみたら荷物車に移されていました。このときは死ぬほど焦りました。

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▲荷物車

降りるときは自転車を横の搬入口から降ろし,自分もそのまま飛び降りました。(搬入口がすごく高くてホームがすごく低かった)

Muurola駅は無人駅で降りたのは自分だけでした。

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▲Muurola駅 人影は皆無

ここから30㎞くらい走ってRovaniemiをめざします。案の定幹線道路のE75は車が多く走りづらかったので,Route933経由でRoute926を走りました。

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▲ちょっとした住宅地への生活道路

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▲Valajaskoskiというダムの上

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ダム湖を突っ切るRoute926 もちろん全面凍結

Rovaniemiの町にはKemi川が真ん中を貫いており,もちろんその川は凍結しているので橋を使わずとも川の対岸へ渡ることができました。町の人がウォーキングやカントリースキーをしており,広大な公園と化していました。30Cのスパイクタイヤでは細すぎてほとんど走れませんでしたので,太いタイヤで来ることをおすすめします。

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▲一応それっぽいルートは示されているが,轍でわかるようにショートカットしている人が多い

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▲冬季に凍結した川の上を通行できるルート。ルート外も通行できるが,氷が薄いところもあるので様子見が必要。

Rovaniemiではフィンランドの森林について学べるPilke Science Centreと北極圏の人々の生活や文化について学べるArktikumへ行きました。博物館好きの自分的には非常におもしろいところでした。特にArktikumは展示物がとても多くて,長い時間いても飽きなかったです。

Pilke Science Centre

https://www.tiedekeskus-pilke.fi/en/

Arktikum

http://www.arktikum.fi/

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▲Pilke Science Centreに展示してあった森林伐採重機。初めて見た。

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▲Arktikumの展示。白夜や極夜の原理がわかる模型がよかったので,小学校の理科の教材に欲しい。

この日の晩御飯はトナカイ肉バーガーを食べました。Rovaniemiは一大観光地でどこで食べても高いので,それは割り切らないといけません。トナカイ肉はとくにクセもなくて,なんか食感が違うパティって感じでした。美味しかったのでおすすめです。

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▲トナカイ肉バーガー

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▲なぜか寿司の暖簾がかかっていた。どのように入手したのか。

お店は以下に紹介しておきます。

 この日泊まったのはHostel Café Kotiというところで,Rovaniemiでは比較的安価なユースでした。相部屋が日本人の学生グループで,久々に日本語を聞きました(会話はしてない)。

7日目 Rovaniemi周遊と北極圏到達

Rovaniemiから少し北に行ったところにある北極圏を目指しました。宿から7kmくらいいで30分もあれば着きます。

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▲凍結したケミ川でスノーモービルで遊ぶガイドとツアー客

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▲歩道は圧雪されておらず30Cでは走るのが難しい

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▲Arctic Circle ここから先は北極圏

ここにはSanta Claus Villageという観光施設があり,朝から賑わっていました。日本人も何人か見かけたくらいには有名です。

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▲サンタさんに会えるらしい(自分は会ってない)

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▲北極圏のラインを跨げる

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▲サンタさん宛の手紙が届くのはここのPost Office。どうやらレプリカではなく本物のエアメールが届いているみたい。

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▲付近の林道に入ってみたが針葉樹林の景色が一切変わらず,GPSの精度がよくないので遭難の危険を感じ撤退。

Rovaniemiに戻って適当に街を散策しました。

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▲Rovaniemi ChurchDSC06832

▲夜のケミ川

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▲NAKAMURAという自転車メーカーを発見。

Rovaniemiは観光産業で成り立っているせいで,あまり地元の人って感じの人がわかりませんでした。地元の人の生活感を知るにはOuluのほうがよかったなという感想です。

ちなみにオーロラは見ることができませんでした。街中は光害で見にくいうえ,天候+太陽風の条件が完全に揃わないと見られないので,本当に見たいならば数日は滞在しないといけないと思います。

この日の夜はサンタクロースエクスプレスという寝台特急に乗って,ヘルシンキを目指します。

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旅も終盤です

次は寝台特急の乗車記とヘルシンキ周遊です。

【フィンランド自転車ツーリング】4,5日目 Oulu周遊,Ice Road

2018年2月22日から3月4日まで,自転車で真冬のフィンランドを走ってきました.備忘録も兼ねてその記録をまとめます.前記事の続きになります.

saddlenreport.hatenablog.jp

写真はこちらにまとめてあります.

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Ouluについて

 Ouluという町は,フィンランドのほぼ南北中央に位置し,ボスニア湾に面する町です。今回のツーリングで非常に印象的な町だったので,特別に取り上げてみました。一応フィンランド北部最大の都市という位置づけで,人口は14万人です。フィンランドはひとつひとつの都市規模が日本に比べて小さいです。

かの有名?なエアギター世界選手権が開かれる町です。

 このOuluという町が,自然と調和した素晴らしい町に感じました。

4日目 ParkanoからOuluへ鉄道移動

 Parkanoのホテルを出発し,輪行のためにParkano駅へ向かいました。市街地から8kmも離れたところに駅があり,そして無人駅です。この町はどうやら鉄道ではなく道路を中心に町が形成されたようです。

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 ▲Parkano駅へ向かう道。これでRoute4ケタ。右側は貨物鉄道用の線路で冬季は使用されていない模様。

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▲Parkano駅。このように自転車でホームまで入っていける。

ParkanoからSeinäjokiで乗り換えをしてOuluへ向かいました。自転車はそのまま載せられます。フィンランドの交通事情は別の記事で詳しく紹介しようと思います。

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▲ステムとハンドルで引っかけるので,その周辺にアクセサリーがついているとうまく載せられない。奥にあるのはスノーキックボードで,別に自転車専用のスペースというわけではない。

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▲Ouluに到着。およそ5時間(Seinäjokiでの乗り換えが1時間半)

Oulu街中ポタリング

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▲Oulu駅前。右の地下通路みたいなのが駅の入口で,左のモダンな建物が駅舎。

気温はお昼で-10℃くらい。駅前でも非常に静かです。この町は他の町に比べて歩道がしっかり整備されている印象でした。自転車は車道ではなく歩道を走るように街や道路が設計されているようです。そのため,多くの人が散歩をしたり,自転車に乗っていたりしました。この雰囲気が個人的に非常に気に入りました。

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▲雪道だろうが関係なくママチャリが走っています。この国の人のバイクコントロールは非常にレベルが高い。ランニングしている人だっています。

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▲川の凍結した部分で釣りをしている人たち。危険そうに見えるが,地元の人たちにはどのへんまでいくと氷を突き破るかのノウハウがあるのだろうか。

川の岸付近や湾になっている部分は凍っており,そのうえで釣りをしたり犬の散歩をしたり,そり遊びをしている人たちがいました。このように,アクティビティが豊富な町でした。

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▲夕方のOulu中心街

この日の晩御飯は先輩の勧めでケバブ屋に行きました。摂取可能カロリー対値段が非常に高く,立ち位置が二郎に近いということだそうです。行ったお店はトルコ人が経営しているっぽくて,トルコ本場より値段は高いようです。お店はこちら

 

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▲カロリーの塊みたいなケバブ。たしか10ユーロくらい。二郎の小を普段から平気でおいしく完食できる自分でも完食できなかった。

帰りにK Supermarketでよくわからない飲み物を買ってみました。

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▲緑茶の風味がするが,なんとも言い難い味

泊まったホテルのサウナで,ホテルの従業員の方とお話ができました。自転車ツーリングするならノルウェーがおすすめだよ,と言われました。話をしていたら平気で30分くらいサウナに入ってました。

5日目 Route816 Ice Roadへ

 OuluからHailuoto島へRoute816という道がのびています。よく見ると海上道路になっており,ここは冬になると海が凍結して道になるという情報を得て実際に行ってみました。

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▲Route816

上の写真のように歩道がかなり広く,自転車は歩道を走るように道路が設計されています。

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▲Route816のOulu側の突端

Oulu市街地から片道25kmくらいで突端に到達しました。ここはOulunsalon lauttarantaといってフェリー乗り場になっています。どうやらRoute816の正規ルートはフェリーのようで,この道がそのままフェリー甲板につながるようになっています。

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▲フェリーは氷を砕いた軌道のようになっている。数台の車が乗って出港していった。

では,Ice Roadはどこなんだ?ということで付近を探してみたらありました。

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▲Ice Roadの入口。英訳するとIce Road Not in useなんだが…

 IceRoad入口は非常にわかりづらいので示しておきます。道沿いにはなにも標識などはありません。

IceRoadは意外と路面凹凸が激しく,30Cのスパイクタイヤではかなり走りづらかったです。もともと島まで行って帰ってくる予定でしたが,3割くらいのところで引き返してきました。車もそこそこ走っており,遭難するようなことはなさそうです。ここでは久しぶりに「無音」の環境を体感することができました。風もなにもなく,音がなにもないこの空気が個人的に非常に好きです。冬の夜の美ヶ原以来の体験でした。

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▲入口から3kmくらいのところ。律儀に歩道まで整備されている。奥に見えるのがHailuoto島。

歩道で数十分くらいぼーっとしてOuluへ戻りました。それでもまだ14時だったので,市内をちょっと巡ってみました。

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▲Oulu市内の遊歩道。雪だろうが当然のように自転車が走っている。一度サイクルジャージを着てディスクロードに乗った男性とすれ違った。-15℃でもサイクルジャージで走れるインナーが気になる。

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▲基本的に自転車は歩道を走る。車道を走るように街が設計されておらず,むしろ歩道のほうが走りやすい。

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▲自然と調和したきれいな街だった

Ouluにはこの日も泊まりました。この2日間でOuluという町が大好きになりました。軽装でMTBとか持ってきてふらふらするだけでも十分満足できそうな気がしました。おすすめです。

翌日は輪行でさらに北上しました。これはまた次の記事で書きます。

 

【フィンランド自転車ツーリング】2,3日目 Hämeenlinna~Tampere~Parkano

2018年2月22日から3月4日まで,自転車で真冬のフィンランドを走ってきました.備忘録も兼ねてその記録をまとめます.前記事の続きになります.

saddlenreport.hatenablog.jp

 

写真はこちらにまとめてあります.

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2日目 Hämeenlinna→Tampere 80km

Hämeenlinnaは小さな町なので,数km走れば豊かな自然が広がります。

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▲町から数km走れば民家はなくなる

気温は-20℃くらい。もちろん道路は凍結しているので,スパイクタイヤが威力を発揮しました。

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▲いわゆる青看。Tampereまで71km(フィンランドの標識はすべてkm標記)

道中にあったパロラ戦車博物館に寄りました。ここは主にフィンランドで活躍した戦車が展示してあり,いくつかの戦車には実際に乗ることができます。某ガルパンで登場したBT-42が世界で唯一見られるということで,日本で有名になりました。各戦車の説明はフィンランド語,スウェーデン語,ロシア語,英語の4か国語で書かれており,少なからずインバウンドも意識しているようです。自分が行った時間(朝10時)は観光客と見られるのは自分ひとりだけで,あとは近所のおじいさんやおばあさんが併設の喫茶店で談笑していました。自分もちょっと加わって博物館のことについて聞いてみたりしました。冬季は営業時間が短いので注意が必要です。ホームページは以下

http://www.panssarimuseo.fi/

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▲以前は雨ざらしだったらしいが,寄付金が集まり屋根がついたそうです。BT-42は奥のほうにあり,自分が行ったときは近くで見ることができなかった。

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▲自分が行った日の翌日がこの博物館のフェスティバルの予定らしく,その準備で実際に戦車が動くところを近くで見ることができた。1年に1回限りらしいのでかなり運がよかった。

Tampereまでの道は,日本でのツーリングと同じセオリーでできるだけ幹線道路を外れるようにして走りました。フィンランドではRoute No.の桁数が減るほど幹線道路扱いになり,2ケタだとだいぶ大きな幹線道路となっていました。パロラからはRoute130を走りました。

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▲Rauttunselkäという湖を貫くRoute130

交通量が少なく,路面もドライで非常に走りやすかった。アップダウンは割と多いが,斜度が5%を超えることは滅多になく,標高も200mを超えることはなかったです。Tampereに近づくにつれて交通量が増えて,排気ガスが少し辛かったです。

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フィンランドで見たすべての湖が凍結していました。きっとファットバイクや太いタイヤをはいたMTBで来ると活動の幅が広がると思います。

凍結した湖では,地元の人たちが穴をあけて釣りをしたり,クロスカントリースキーをしたりしていました。きっとフィンランド人にとってはひとつのアクティビティの場という認識なのでしょう。

Tampereという町はフィンランドの中では大きい部類に入る町です。この町ではDream Hostel Tampereというユースホステルで泊まりました。ここでも交渉したら自転車を屋内保管させてくれました。

Edullinen hotelli ja hostelli - Dream Hostelli ja Hotelli, Tampere »

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フィンランドのスーパーはS MarketとK Marketの2つがメジャーで,補給を買うならその2つのスーパーが良い。たいていの町ならどちらかは必ずある。K Marketのほうが若干安い。どちらもクレジットカードが使えます。

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自動販売機でもクレジットカードが使用可能。基本キャッシュが不要。

フィンランドは非常に治安が良く,夜出歩いてもなにも問題ありませんでした。毎日夜は町を散歩していました。

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▲Tampere駅の地下通路

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▲Tampereで見つけたEast Asia Market。味付け海苔とかコアラのマーチとかが売っていた。長期で日本食が食べたくなったら便利かもしれない。

 3日目 Tampere→Parkano 86km

3日目はE12を走ってParkanoという町をめざします。なんとこの間,駅はなくバス停もないというリタイアが許されないエリアでした。Tampere以北はいよいよ田舎で,駅も数十km間隔になります。メカトラが起きたら起きてから考えればいいというスタンスで走ってました。

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▲RouteE12。幹線道路なだけあって交通量が多い。日本でいうと一桁国道にあたるくらい。

正直このルートを選んだのは失敗でした。想像より交通量が多く,走りづらかったです。3ケタ以上のRouteを選ぶのが吉だと思います。4ケタまで行くと除雪がしっかりしていない可能性があります。

また,小さな丘が無数にあるのでアップダウンが続きます。斜度が5%に満たないものですが,ここまで続くと最後のほうはキツかったです。

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▲スーパーで興味本位で買ってみたパンのようなもの。色的にチョコレート味かと思ったら全然違った。全く口に合わなかったので廃棄。

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▲こんな風景が永遠と続く。

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▲「ここで町は終わりです」の標識(たぶん)。ようはこの先数十kmなにもないから注意しろという喚起で,自転車ツアラー的にはありがたい標識。

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▲凍結した湖。よく見ると奥のほうでカントリースキーをしている人たちがいる。また,お昼の12時だが影が長い,つまり一日中太陽が低い。

86㎞の行程を15時くらいに終わらせ,Parkanoという町に着きました。この町は非常に小さく,全然人もいなければお店も多くありません。日本でいうと北海道の中標津や厚岸くらいの規模。宿はHotelli Pestiというところにとりましたが,到着しても宿が開いておらず電話して開けてもらいました。ここは事前に到着時刻を連絡したほうがいいと思います。

この日も夜に町を散策してみました。とにかく外に人がいません。

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▲HES BURGERのロードサイド店。こんな田舎でもちゃんと英語は通じた。

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▲K Supermarket。ある程度の町でもちゃんとスーパーはあって補給は買える。規模の割に客がいない。

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▲入ったらなにか買わないと出られないシステム。店によりけりで,同じスーパーの系列でもこのシステムがない店もあった。

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▲スーパーで買ってきたもの。左からグレープフルーツサワープリングルス,ファンタグレープとガラナの中間のような炭酸飲料。

 この2日間で,ツーリング装備でそんな高い強度でなくても1日に80~90kmは走れることがわかりました。逆に北部へ行くとそれくらい走らないと宿や町がないので,野宿が必要だと思います。

次の記事では,Ouluという町について書こうと思います。

【フィンランド自転車ツーリング】1日目 名古屋~フィンランド 飛行機輪行

2018年2月22日から3月4日まで,自転車で真冬のフィンランドを走ってきました.備忘録も兼ねてその記録をまとめます.前記事の続きになります.

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写真はこちらにまとめてあります.

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 フライト

1日目は飛行機でセントレアからヘルシンキ空港へ行き,鉄道でハメーンリンナという町へ行きました.

飛行機輪行はこのような状態です.シュラフやブーツでホイールとフレームが強くぶつからないように緩衝材としました.ディレイラーは外してフレームの内側にビニールテープで固定しました.

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▲Fragile BICYCLEと念のため訴えておく

セントレアからヘルシンキへはフィンエアーでおよそ10時間30分のフライトです.かなり足がむくんでしまい,ツーリング前半は脚が痛んでしまったのであらかじめ対策を打っておくべきでした.

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▲ほぼロシア

ヘルシンキ空港ではほとんどの人が乗り継ぎで,ヘルシンキに入国していく人は全然いませんでした.なので入国審査は並ばずにすぐに終わりました.なお,自転車はベルトコンベアに乗って出てきました.その場で中身を確認して異常がないかを確認しました.(もしなにかあったら予定を変えてヘルシンキに行って直すつもりだった)

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▲躊躇なく流れてきた

SIMカード

空港でまずは通信手段の確保です.到着ロビーを出てすぐのところにR-Kioskiというコンビニがあり,そこでプリペイドsimを入手できます.レジの店員に10日間分欲しいと言ったら,7日分と1か月分しかないと言われたので7日分を2つ購入しました.7.8ユーロ,1000円で激安です.アクティベートは苦戦しましたが15分でできたので,慣れていれば5分もあればできそうです.simの設定などはこちらのサイトを参考にしました.

https://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/column/minna/752457.html

https://sagadylan.com/finland-sim-card/

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▲パッケージが固いのでそうそうsimが傷つくことはなさそう

鉄道移動

鉄道でハメーンリンナまで移動します.フィンランド国鉄はVRと言います.VRは改札がなく,券売機やアプリで切符を購入しそれを車内で見せるだけでOKで,初めてでも特段難しいことはありません.基本的に現金で切符を買うことはできず,券売機もクレジットカードしか使えません.とりあえず空港からハメーンリンナまでは券売機で切符を買ってみました.

詳しい鉄道事情については別の記事で書こうと思います.

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▲2次元バーコードを読み取ってもらいます.1回乗り換えなのでバーコードが2つついています.

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▲Commuter Train

車両が日本よりすごく大きく,輪行状態の自転車を置く場所にも困りません.5ユーロ払えばそのまま自転車を載せられますが,今回は空港から直接だったので輪行状態.

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▲黄色い線とか白線とかはない

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▲ハメーンリンナに到着

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▲ホームからそのまま地下通路につながっていて,そこで輪行解除をしました.寒さを気にすることなく輪行解除ができます.

ハメーンリンナのCumulus Cityという系列のホテルで泊まりました.1泊80ユーロくらい,おそらく一般的な観光やビジネス向けホテルです.自転車はどこに停めたらいいかいいかを聞いたら,ホテルの倉庫に入れさせてくれました.

ハメーンリンナ散策

ホテルにチェックインしたら,晩御飯(時差のせいで2回目の晩御飯,4食目)と翌日の補給を探しに町を散策しました.夜の気温は-15℃くらいでした.

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▲静かな町で治安もよさそう

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▲ショッピングモール

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▲イオンと似た感じ.この手のショッピングモールでだいたいの用事が済む.

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▲HES BURGER

HES BURGERというハンバーガーショップがフィンランドではメジャーのようです.マクドナルドより多いです.大きさは日本と同じくらい,価格はやや高め(そもそも物価が高い)です.

次の記事で実際に自転車で走ったことについて書きます.

【フィンランド自転車ツーリング】準備・計画編

2018年2月22日から3月4日まで,自転車で真冬のフィンランドを走ってきました.備忘録も兼ねてその記録をまとめます.

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▲北極圏

 

フィンランドを選んだ理由

この3月に大学院を卒業して4月から社会人になるので,学生という身分でできるツーリングはこの春休みが最後になります.そこで,6年間の自転車活動の集大成として卒業旅行は海外ツーリングに行くことに決めました.2年前に行った冬の北海道が非常に印象的だったので,さらに北に行きたいと思い,候補として北欧やカナダ,ロシア,アラスカを挙げました.海外旅行は一度家族親戚でグアムに行ったきりで,自転車を持っていくのも初めてです.その中で,フィンランドセントレアから直行便が出ているほどアクセスが良く,英語が通じ,治安も良いことから,はじめての海外ツーリングには最適だと思い,フィンランドに決めました.

なお,サイクリング部の同期に声をかけてみましたがもちろん一緒に行ってくれる人などおらず,ひとりで行くことにしました.

また,冬のフィンランドを自転車でツーリングするための情報がほとんどインターネット上にないため,自分でその情報を得てブロードキャスティングしたいと思ったのもひとつの理由です.

 

フィンランドについて

フィンランドの国土面積は日本よりやや小さい程度ですが,人口が約500万人と非常に少ない国です.また,国土のほぼ全域が安定陸塊の楯状地で,標高も200mを超えることは滅多にありません.イメージとしては国土全体が山の存在しない広大な北海道といった感じです.使用言語はフィンランド語で,英語はどこに行っても通じました.駅などの公共施設はフィンランド語のほかにスウェーデン語やロシア語,英語が併記されています.単純に,初めての海外旅行でも選択肢に入るレベルで安全な国だと思います.しかし,物価は高いです.

 

ルートの選定

現地に滞在できる10日間という非常に短い期間の中で「どこを走るのか」といった問題は重要です.これが最も難しかったです.まず,情報の収集を行いました.日本でいうTouring Mapple的なものは存在しないようで,通常のまっぷるのような道路地図は書籍としてインターネットでも手に入ります.

https://www.arktisversand.de/en/finland/maps

しかし,こういったただの道路地図はGoogle Mapで事足りるほか,全国版はかなり大きく携帯性に欠けるので今回は見送りました.

次にVisit Finlandというフィンランドの観光局がおすすめしているサイクリングルートを見つけました.しかし,これは夏のサイクリングを想定しているほか,ほとんどがヘルシンキ周辺の南部に集中しているため,参考にはしませんでした.

また,Strava Global Heatmapというものも見てみました.これは,StravaというアクティヴィティSNSで世界中の人から上げられたGPSログから,Heatmapになっているものです.

Strava Global Heatmap

 しかし,これも幹線道路が多く走られていたり,必ずしもサイクリングに適している道とは言えるわけではないので,「その周辺でトラブルがあったときにどの程度人に頼れるか」の指標にしました.そこで多く走った記録があれば,それだけ人の往来も多いということになります.今回は極端にGPSログの少ない地域を走るのは避けました.

最後にdangerous roadsというサイトで調べました.

dangerousroads

これは世界中の面白い道をまとめているサイトです.日本では群馬県毛無峠や乗鞍などが紹介されています.自分は,フィンランドの"ice road"というものをここで知りました.そこで,今回のツーリングでice roadは絶対に行くと決めました.

とにかく情報がないので,あとは自分で現地調査することにしました.そこで組んだルートはおおまかに,Hämeenlinna~Tampere~Parkano,Oulu,Rovaniemi周辺といった感じにしました.行きたかったパロラ戦車博物館や北極圏を含みつつ,あとはなにがあるかわからないところを行くといった感じです.

フィンランドを自転車で走るにあたっての基本的な知識はこちらのサイトで紹介されています.

http://www.cycletourer.co.uk/cycletouring/finland.shtml

 

予算

フィンランドはアジアからのアクセスが非常に良く,かつヨーロッパの中では比較的安価な手ごろで行くことができます.セントレアからヘルシンキ往復でおよそ10万円,それに加えて,フィンエアーは自転車の手荷物料金往復で150ユーロでした.

今回は,フィンランドの2月のおおよその最低気温の-30℃で野宿できる装備を持っていなかったため,すべて宿をとることにしました.フィンランドは物価が高いので,宿泊費1泊1万円前後を見込んで9泊なので9万円.

その他補給や鉄道運賃などで5万円といった感じでトータル25万円くらいと見込みました.

 

服装

気温は-8℃~-25℃でした.なお自分は寒さに強いほうだと思います.

上は

  • mont-bell ジオライン中厚手
  • Tシャツ
  • mont-bell クリマプラス100 ジャケット
  • mont-bell ストームクルーザー
  • mont-bell インナーグローブ
  • スキー用グローブ

下は

  • mont-bell ジオライン中厚手
  • mont-bell ドライテック インシュレーテッドパンツ
  • mont-bell ゲイター
  • mont-bell 冬の低山向け防水トレッキングシューズ
  • mont-bell アルパインソックス厚手

ダウンも持っていきましたが使用しませんでした.風がほとんどないぶん気温ほど寒くは感じませんでした.この中でゲイターは一見なくても大丈夫な気がしますが,ゲイターなしで走ると裾から冷気が入ってきて,すぐにすねやふくらはぎが冷えてしまいました.袖口や裾から冷気が入らないようにするといいと思います.指先に関しては-10℃くらいまではインナーグローブで走行,それを下回ったらスキー用グローブで走行といった感じでした.

持ち物

特別なものは服装くらいで,持ち物に特別なものはほとんどありません.野宿しないので,テントやバーナー,クッカー,マットなどは持っていきませんでした.特別なものは,

  • 魔法瓶
  • いつもより多めの修理用ツール
  • カメラの予備バッテリー
  • 水着
  • ちょっとしたガイドブック

魔法瓶は補給水が凍らないようにするため,修理用ツールはなるべく走行不能にならないようにするためです.カメラの予備バッテリーは,寒いときバッテリーの出力が下がって使えなくなってしまうため,常にひとつはポケットに入れてあたためておきました.冬の美ヶ原で使えなくなった経験から持って行ったのですが,今回は異常なく使えました.よくわかりません.水着はフィンランドサウナ用に持っていきました.

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▲今回の持ち物

 使わなかったものは秋用グローブ,ダウン,カイロです.

準備・計画編については以上です.飛行機輪行などについては次の記事に書きます.

【冬北海道自転車ツーリング】5日目 北見~網走・札幌

2016/2/24~29の日程で自転車で冬の北海道をツーリングしてきました.前記事の続きになります.

saddlenreport.hatenablog.jp

 

  写真はこちらにまとめてあるので,是非ご覧ください

flic.kr

 

5日目 北見→網走・札幌 56km

この日は,北見からひたすら国道39号線を網走へ向けて走ります.一見ただの移動日,つまらなそうな道に感じます.実際自分もそう思っていましたが,夏と冬では景色が大きく変わり,十分に楽しむことができました.また,この日は補給にアイスクリームを導入してみました.溶けることなく,糖分を摂取することができました.走っていて体があたたまっていると,アイスを食べても意外と寒くないです.

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北見市内の国道39号.完全凍結です.

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常呂川河川敷.夏には何とも思わない河川敷が,真っ白のきれいな雪景色に.

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女満別付近

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女満別付近の国道39号.気温が-3℃と高く,路面温度はおそらくプラスなのでドライです.

パンク1度ありましたが,12時ごろなんとか最終目的地の網走に到着しました.流氷は接岸しておらず,天都山に登らないと見えないとのことでした.

網走駅から特急オホーツクで輪行して札幌に向かいます.まさかの指定席満席だったので,改札に並んで自由席になんとか座ることができました.やはり,北海道の特急は冬のほうが混雑している印象です.また,所要時間5時間超えなのに車内販売がないので,しっかり補給は買っておきましょう.なお駅横のローソンは閉店した模様です.

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▲札幌到着.古い車両なので乗り心地はいいとはいえない.

このあと,札幌に住んでいる知り合いの方と会ってすすきのでジンギスカンをごちそうになり,そのあと家に泊めていただきました.MTBに乗る知り合いの方に先導され,すすきのから7㎞程度札幌の街を走って知り合いの家まで行きましたが,これがかなりきつかったです.市街地の道路は氷などで凸凹しており,高度なバイクコントロールスキルが要求されました.ついていくのがあまりにきつすぎて,どこを走ったのか全く覚えていません.

翌日6日目は昼の飛行機で名古屋に戻りますが,札幌が大雪で道路機能がマヒしていました.

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▲札幌の朝.この渋滞が延々続いていた.

飛行機も欠航かと思われましたが,2時間遅れでなんとか飛んでくれました.

以上で冬北海道自転車ツーリングは完結です.

「悪い天気というものはなく,悪い服装があるだけだ」と言うように,装備さえしっかりすれば冬の北海道ツーリングは可能です.今回は三国峠,石北峠を中心に山間部を走りましたが,このあたりは北海道でもトップクラスで寒い地域です.ここで大丈夫なら他の地域でも大丈夫であると予想されます.吹雪などの悪天候にならなかったのが助かりましたが,そういった悪天候時には引き返す,留まる勇気も必要です.

夏の景色に飽きたら,冬の景色を求めて挑戦してみるといいと思います.それによって,また夏に行ってみたい場所が見えてくるかもしれません.