2018年2月22日から3月4日まで,自転車で真冬のフィンランドを走ってきました.備忘録も兼ねてその記録をまとめます.前記事の続きになります.
写真はこちらにまとめてあります.
Ouluについて
Ouluという町は,フィンランドのほぼ南北中央に位置し,ボスニア湾に面する町です。今回のツーリングで非常に印象的な町だったので,特別に取り上げてみました。一応フィンランド北部最大の都市という位置づけで,人口は14万人です。フィンランドはひとつひとつの都市規模が日本に比べて小さいです。
かの有名?なエアギター世界選手権が開かれる町です。
このOuluという町が,自然と調和した素晴らしい町に感じました。
4日目 ParkanoからOuluへ鉄道移動
Parkanoのホテルを出発し,輪行のためにParkano駅へ向かいました。市街地から8kmも離れたところに駅があり,そして無人駅です。この町はどうやら鉄道ではなく道路を中心に町が形成されたようです。
▲Parkano駅へ向かう道。これでRoute4ケタ。右側は貨物鉄道用の線路で冬季は使用されていない模様。
▲Parkano駅。このように自転車でホームまで入っていける。
ParkanoからSeinäjokiで乗り換えをしてOuluへ向かいました。自転車はそのまま載せられます。フィンランドの交通事情は別の記事で詳しく紹介しようと思います。
▲ステムとハンドルで引っかけるので,その周辺にアクセサリーがついているとうまく載せられない。奥にあるのはスノーキックボードで,別に自転車専用のスペースというわけではない。
▲Ouluに到着。およそ5時間(Seinäjokiでの乗り換えが1時間半)
Oulu街中ポタリング
▲Oulu駅前。右の地下通路みたいなのが駅の入口で,左のモダンな建物が駅舎。
気温はお昼で-10℃くらい。駅前でも非常に静かです。この町は他の町に比べて歩道がしっかり整備されている印象でした。自転車は車道ではなく歩道を走るように街や道路が設計されているようです。そのため,多くの人が散歩をしたり,自転車に乗っていたりしました。この雰囲気が個人的に非常に気に入りました。
▲雪道だろうが関係なくママチャリが走っています。この国の人のバイクコントロールは非常にレベルが高い。ランニングしている人だっています。
▲川の凍結した部分で釣りをしている人たち。危険そうに見えるが,地元の人たちにはどのへんまでいくと氷を突き破るかのノウハウがあるのだろうか。
川の岸付近や湾になっている部分は凍っており,そのうえで釣りをしたり犬の散歩をしたり,そり遊びをしている人たちがいました。このように,アクティビティが豊富な町でした。
▲夕方のOulu中心街
この日の晩御飯は先輩の勧めでケバブ屋に行きました。摂取可能カロリー対値段が非常に高く,立ち位置が二郎に近いということだそうです。行ったお店はトルコ人が経営しているっぽくて,トルコ本場より値段は高いようです。お店はこちら
▲カロリーの塊みたいなケバブ。たしか10ユーロくらい。二郎の小を普段から平気でおいしく完食できる自分でも完食できなかった。
帰りにK Supermarketでよくわからない飲み物を買ってみました。
▲緑茶の風味がするが,なんとも言い難い味
泊まったホテルのサウナで,ホテルの従業員の方とお話ができました。自転車ツーリングするならノルウェーがおすすめだよ,と言われました。話をしていたら平気で30分くらいサウナに入ってました。
5日目 Route816 Ice Roadへ
OuluからHailuoto島へRoute816という道がのびています。よく見ると海上道路になっており,ここは冬になると海が凍結して道になるという情報を得て実際に行ってみました。
▲Route816
上の写真のように歩道がかなり広く,自転車は歩道を走るように道路が設計されています。
▲Route816のOulu側の突端
Oulu市街地から片道25kmくらいで突端に到達しました。ここはOulunsalon lauttarantaといってフェリー乗り場になっています。どうやらRoute816の正規ルートはフェリーのようで,この道がそのままフェリー甲板につながるようになっています。
▲フェリーは氷を砕いた軌道のようになっている。数台の車が乗って出港していった。
では,Ice Roadはどこなんだ?ということで付近を探してみたらありました。
▲Ice Roadの入口。英訳するとIce Road Not in useなんだが…
IceRoad入口は非常にわかりづらいので示しておきます。道沿いにはなにも標識などはありません。
IceRoadは意外と路面凹凸が激しく,30Cのスパイクタイヤではかなり走りづらかったです。もともと島まで行って帰ってくる予定でしたが,3割くらいのところで引き返してきました。車もそこそこ走っており,遭難するようなことはなさそうです。ここでは久しぶりに「無音」の環境を体感することができました。風もなにもなく,音がなにもないこの空気が個人的に非常に好きです。冬の夜の美ヶ原以来の体験でした。
▲入口から3kmくらいのところ。律儀に歩道まで整備されている。奥に見えるのがHailuoto島。
歩道で数十分くらいぼーっとしてOuluへ戻りました。それでもまだ14時だったので,市内をちょっと巡ってみました。
▲Oulu市内の遊歩道。雪だろうが当然のように自転車が走っている。一度サイクルジャージを着てディスクロードに乗った男性とすれ違った。-15℃でもサイクルジャージで走れるインナーが気になる。
▲基本的に自転車は歩道を走る。車道を走るように街が設計されておらず,むしろ歩道のほうが走りやすい。
▲自然と調和したきれいな街だった
Ouluにはこの日も泊まりました。この2日間でOuluという町が大好きになりました。軽装でMTBとか持ってきてふらふらするだけでも十分満足できそうな気がしました。おすすめです。
翌日は輪行でさらに北上しました。これはまた次の記事で書きます。