2018年2月22日から3月4日まで,自転車で真冬のフィンランドを走ってきました.備忘録も兼ねてその記録をまとめます.前記事の続きになります.
写真はこちらにまとめてあります.
2日目 Hämeenlinna→Tampere 80km
Hämeenlinnaは小さな町なので,数km走れば豊かな自然が広がります。
▲町から数km走れば民家はなくなる
気温は-20℃くらい。もちろん道路は凍結しているので,スパイクタイヤが威力を発揮しました。
▲いわゆる青看。Tampereまで71km(フィンランドの標識はすべてkm標記)
道中にあったパロラ戦車博物館に寄りました。ここは主にフィンランドで活躍した戦車が展示してあり,いくつかの戦車には実際に乗ることができます。某ガルパンで登場したBT-42が世界で唯一見られるということで,日本で有名になりました。各戦車の説明はフィンランド語,スウェーデン語,ロシア語,英語の4か国語で書かれており,少なからずインバウンドも意識しているようです。自分が行った時間(朝10時)は観光客と見られるのは自分ひとりだけで,あとは近所のおじいさんやおばあさんが併設の喫茶店で談笑していました。自分もちょっと加わって博物館のことについて聞いてみたりしました。冬季は営業時間が短いので注意が必要です。ホームページは以下
▲以前は雨ざらしだったらしいが,寄付金が集まり屋根がついたそうです。BT-42は奥のほうにあり,自分が行ったときは近くで見ることができなかった。
▲自分が行った日の翌日がこの博物館のフェスティバルの予定らしく,その準備で実際に戦車が動くところを近くで見ることができた。1年に1回限りらしいのでかなり運がよかった。
Tampereまでの道は,日本でのツーリングと同じセオリーでできるだけ幹線道路を外れるようにして走りました。フィンランドではRoute No.の桁数が減るほど幹線道路扱いになり,2ケタだとだいぶ大きな幹線道路となっていました。パロラからはRoute130を走りました。
▲Rauttunselkäという湖を貫くRoute130
交通量が少なく,路面もドライで非常に走りやすかった。アップダウンは割と多いが,斜度が5%を超えることは滅多になく,標高も200mを超えることはなかったです。Tampereに近づくにつれて交通量が増えて,排気ガスが少し辛かったです。
▲フィンランドで見たすべての湖が凍結していました。きっとファットバイクや太いタイヤをはいたMTBで来ると活動の幅が広がると思います。
凍結した湖では,地元の人たちが穴をあけて釣りをしたり,クロスカントリースキーをしたりしていました。きっとフィンランド人にとってはひとつのアクティビティの場という認識なのでしょう。
Tampereという町はフィンランドの中では大きい部類に入る町です。この町ではDream Hostel Tampereというユースホステルで泊まりました。ここでも交渉したら自転車を屋内保管させてくれました。
Edullinen hotelli ja hostelli - Dream Hostelli ja Hotelli, Tampere »
▲フィンランドのスーパーはS MarketとK Marketの2つがメジャーで,補給を買うならその2つのスーパーが良い。たいていの町ならどちらかは必ずある。K Marketのほうが若干安い。どちらもクレジットカードが使えます。
▲自動販売機でもクレジットカードが使用可能。基本キャッシュが不要。
フィンランドは非常に治安が良く,夜出歩いてもなにも問題ありませんでした。毎日夜は町を散歩していました。
▲Tampere駅の地下通路
▲Tampereで見つけたEast Asia Market。味付け海苔とかコアラのマーチとかが売っていた。長期で日本食が食べたくなったら便利かもしれない。
3日目 Tampere→Parkano 86km
3日目はE12を走ってParkanoという町をめざします。なんとこの間,駅はなくバス停もないというリタイアが許されないエリアでした。Tampere以北はいよいよ田舎で,駅も数十km間隔になります。メカトラが起きたら起きてから考えればいいというスタンスで走ってました。
▲RouteE12。幹線道路なだけあって交通量が多い。日本でいうと一桁国道にあたるくらい。
正直このルートを選んだのは失敗でした。想像より交通量が多く,走りづらかったです。3ケタ以上のRouteを選ぶのが吉だと思います。4ケタまで行くと除雪がしっかりしていない可能性があります。
また,小さな丘が無数にあるのでアップダウンが続きます。斜度が5%に満たないものですが,ここまで続くと最後のほうはキツかったです。
▲スーパーで興味本位で買ってみたパンのようなもの。色的にチョコレート味かと思ったら全然違った。全く口に合わなかったので廃棄。
▲こんな風景が永遠と続く。
▲「ここで町は終わりです」の標識(たぶん)。ようはこの先数十kmなにもないから注意しろという喚起で,自転車ツアラー的にはありがたい標識。
▲凍結した湖。よく見ると奥のほうでカントリースキーをしている人たちがいる。また,お昼の12時だが影が長い,つまり一日中太陽が低い。
86㎞の行程を15時くらいに終わらせ,Parkanoという町に着きました。この町は非常に小さく,全然人もいなければお店も多くありません。日本でいうと北海道の中標津や厚岸くらいの規模。宿はHotelli Pestiというところにとりましたが,到着しても宿が開いておらず電話して開けてもらいました。ここは事前に到着時刻を連絡したほうがいいと思います。
この日も夜に町を散策してみました。とにかく外に人がいません。
▲HES BURGERのロードサイド店。こんな田舎でもちゃんと英語は通じた。
▲K Supermarket。ある程度の町でもちゃんとスーパーはあって補給は買える。規模の割に客がいない。
▲入ったらなにか買わないと出られないシステム。店によりけりで,同じスーパーの系列でもこのシステムがない店もあった。
▲スーパーで買ってきたもの。左からグレープフルーツサワー,プリングルス,ファンタグレープとガラナの中間のような炭酸飲料。
この2日間で,ツーリング装備でそんな高い強度でなくても1日に80~90kmは走れることがわかりました。逆に北部へ行くとそれくらい走らないと宿や町がないので,野宿が必要だと思います。
次の記事では,Ouluという町について書こうと思います。